小説「ワイルド・ソウル」について

 この本の著者は垣根涼介氏、葉山図書館で借りました。

 皆さんは、ブラジル移民について、どのくらいご存じでしょうか。日本がまだ貧しかった頃、国家事業として、南米に多くの移民を送り出しました。

 私の祖父一家も、九州からブラジルに渡り、そこで農園を営んでいました。祖父が早くに亡くなったので、残された女子供では農園を維持できず、日本に引き揚げてきましたが。
 家の近所の小道にはアナコンダが通り、密林にはオンサと呼ばれる豹がいたそうです。
 食べ物はフェジョアーダやマンジョーカ。
 言葉はポルトガル語。
 ブラジルで生まれた私の父は、子供の頃、川に落ちてマラリアにかかり、何とか治ったものの、日本に帰ってからも度々高熱を出していたそうです。

 現在、南米で暮らす日系人の多くは、勤勉や誠実によって、人々に尊敬されていると聞きます。ペルーのフジモリ大統領のことも、ご存じと思います。ですが、過酷な環境で生き残ることができず、亡くなった方も多いといいます。四世、五世になると、もう南米人になりきっているかもしれません。

 この小説は、日本政府や外務省に騙され、「移民」ではなく「棄民」として、アマゾン奥地の過酷な環境に置き去りにされた日本人と、その子供たちの復讐の物語です。
 ですが、復讐の方法が豪快で、「嘘つきの日本政府に赤恥をかかせる」という点で、痛快です。

 ブラジル移民のことを知る手掛かりとしても、主人公の陽気な青年(辛酸をなめた初代の移民の息子)の冒険物語としても、楽しめます。どうか一度、手に取ってみて下さい。

 アマゾンの自然は過酷ですし、過去の侵略や強引な植民の歴史もありますが、混血の多いブラジル人は、陽気で寛容な気質を持っているといいます。今回のオリンピックも、細部にトラブルはあれど、全体では成功させました。細かすぎる日本人には、見習うべき点が多々あるかもしれません。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック