「臨界前核実験に抗議する決議」に反対しました

 2019年6月26日の葉山町議会本会議で、共産党から出た議案「米国の臨界前核実験に抗議する決議」に対し、議員中、私だけが反対しました。この議案はアメリカに対し、あらゆる核実験を恒久的に行わないように求めるものです。
 その反対討論を、ここに載せます。

 4番、山田由美です。この決議に反対の立場から、討論させていただきます。主な理由は、六つあります。

 一つ目は、核兵器の意味について。
 私自身、核兵器の廃絶と恒久平和を心から願ってはおりますが、それはまだ距離のある目標だと思っています。幾つかの独裁国家が存在するアジアの情勢を見る限り、現状ではまだ、国家としての自己防衛の努力は必要であると感じています。
 ただし、どの程度の軍備が必要なのかについては、専門家の意見も色々あるようですし、軍事の素人には判断がつきません。核兵器に抑止力としての意味があるなら、今すぐ「撤廃せよ」と要求することは無理かもしれません。国際的な話し合いの中で、年月をかけて保有数を減らすなどして、少しずつ前進するしかないのかもしれないと思います。

 二つ目は、日本と米国の間に日米安全保障条約が結ばれていること。
 私としては、外部の脅威から日本を守るためには、米国の軍事力の後ろ盾が必要であると認識しています。日本は事実上、米国の「核の傘」に守られている状況だと思いますし、米国の戦略は核兵器の存在を基盤に置いて組み立てられていると思いますのでので、それを今すぐ否定できるかどうか、難しいところだと思います。

 三つ目は、臨界前核実験の必要性について、自分が技術的見地からの知識を十分に持っていないため、判断がつけにくいこと。
 すなわち、この実験が、米国の安全保障上、どうしても必要なものか、そうでない過剰な実験なのかの判断がつけられないということです。
 一般的に言って、核兵器は備蓄している間に自然に劣化しますので、抑止力として持ち続けるのであれば、ある程度の更新や、そのための研究は避けられないかもしれません。


 四つ目は、経済的観点。
 もし米軍が核兵器を廃絶して通常兵器だけで武装するなら、現在より更に多額の軍事費が必要になるかもしれません。それは、同盟国である日本の負担の増大にもつながると思います。
 これまで、日本の防衛費が比較的少なくて済んでいるのは、米軍の力を借りているからです。軍隊そのものが要らない世の中になるのが一番ですが、それはまだ先のことだと思いますので、経済的な側面も考えなければならないかと思います。

 五つ目は、臨界前核実験は、包括的核実験禁止条約の対象になっていないと、当のアメリカが主張していること。

 六つ目は、核実験の中には、核融合も含まれること。核融合は、未来のエネルギー源として研究していく必要があります。

 このように軍事や外交の絡む問題はきわめて複雑ですので、それは国会や専門家に任せておき、地方議会であえて取り上げなくてもいいのではないかと思います。
 もちろん、議員個人の発信や、国民全体での議論は自由です。以上を私の反対討論といたします。

補足……普通、兵器用の核実験と、核融合発電の研究は別物だと思いますが、抗議文に「いかなる核実験も」とあったので、念のため、核融合にも触れました。

 なお、「臨界前核実験」とは、核爆発に至らないよう(臨界条件を超えないよう)核分裂反応を抑制するという意味で、核爆発を起こすものではありません。包括的核実験禁止条約においては、グレーゾーンとなる領域だと思われます。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック