「黒い同盟 米国、サウジアラビア、イスラエル」……「反イラン枢軸」の暗部

 宮田律著、平凡社新書。
 世界情勢は複雑すぎて、なかなか理解しきれませんが、中東については、この本でいくらか整理がつくと思います。

●人道危機をもたらすサウジのイエメン空爆
●サウジがイランを疎んじる背景
●米国にとってのサウジの戦略的重要性
●サウジ政府と密接だったビンラディン・ファミリー
●「死の商人」アドナン・カショギ
●サウジのIS支援でシリア内戦が激化
●イランが暴発することを期待?
●イスラエルへの軍事援助で潤う米国の軍需産業
●イランとの緊張を煽る枢軸
●民意より兵器産業の利益を重視するトランプ

 上記のような目次だけでも、勉強になると思います。以下は私の意見ですが……皆様も、ご自分なりの理解をして頂ければと思います。

 アメリカ(を支配している人間たち)は自分の都合によって、他国を利用したり、切り捨てたり、かなり身勝手な真似を続けてきました。
 現在、イランを目の敵にしていることも、アメリカの一部の人間(政治家、軍需産業関係者など)の都合です。

 イランは宗教指導者が力を持つ国ですが、ある程度民主的な選挙が行われています。西欧世界に近い感覚を持つ市民が存在する国だと思います。アメリカの態度はあまりに不当です。

 2018年、トルコのイスタンブールで、ジャマル・カショギ氏というジャーナリストが殺害された事件をご記憶でしょうか。婚約者を待たせたままサウジアラビア総領事館を訪れ、そのまま帰ってきませんでした。
 サウジアラビアのムハンマド皇太子の関与が強く疑われながら、アメリカが追及しないため、いまだにうやむやのままです。

 サウジアラビアは王家の独裁が続き、女性の人権が制限され、イエメン空爆などの非人道的行為もしていますが、アメリカは非難しようとしません。
 そのくせ、イラクやリビアなど、それなりに安定していた国を破壊し、あるいは破壊を見過ごし、深い混迷に追いやってしまいました。ISが誕生したことは、かなりの部分、アメリカの責任ではないでしょうか。

 イラン・イラク戦争も、イラクのクウェート侵攻も、アメリカが背後にいたことは否定できません。紛争が起きれば武器が売れる。アメリカに基地を提供してくれる国、アメリカに石油を提供してくれる国は贔屓する。
 アメリカから独立しようなどとしたら、大変です。どんな言いがかりをつけられ、経済制裁されたり、軍事攻撃されたりするか。

 まあ、わが国は、アメリカに貢いでいるわりには、冷遇されているような気がしますが。

 新聞の報道は、それだけでは偏りがありますので、このような専門家の著作で基礎知識を確かめることは有効だと思います。

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