「ディリリとパリの時間旅行」、「ブレッドウィナー」二つの女性映画

 今年の後半、二本の女性映画を見ました。
ディリリとパリの時間旅行」は逗子のシネマアミーゴで。「ブレッドウィナー」は恵比寿で。

 どちらも、少女が自由や尊厳のために、あるいは自分と家族が生きていくために戦う映画ですが、とても美しく魅力的なアニメです。機会があれば、ぜひご覧ください。

 「ディリリ」は「キリクと魔女」を作ったミッシェル・オスロ監督の作品。ベル・エポック時代のパリを舞台にしているので、観光旅行のようにして、美しい風景を楽しめます。マリー・キュリーやサラ・ベルナール、パスツール、ピカソやマティスなど有名人も総出演の華やかさ。

 主人公のディリリは、ニューカレドニアからパリに来た、混血の少女。
 どうしても外国に行きたくて、密航して船に乗るという勇敢さです。船の中で助けてくれる人と知り合い、保護者になってもらうことに。
 パリに来てからは、万国博覧会の出し物(ニューカレドニアの〝原住民〟の生活の様子を見世物にするコーナー)に出演してお金を稼ぐこともします。
 そして、友達になった便利屋のオレル青年と共に、パリで頻発している少女誘拐事件を解決するために、配達用自転車で街を走ります。

 誘拐事件は、女性の台頭をよく思わない男性支配団の仕業でした。
 ディリリは綺羅星のような有名人たちの助けを借り、誘拐団の本拠地に迫ります。
 犯人たちは、誘拐した少女たちを再教育して「奴隷化」しようとしていました……

 「ブレッド」は「ソング・オブ・ザ・シー」を作ったアイルランドのアニメスタジオの作品。「ソング……」はあざらしの妖精を題材にしたファンタジーで、これも素敵な作品です。

 アフガニスタンのカブールで暮らすパヴァ―ナの一家は、不穏な情勢下、貧しいながらも家族で助け合っていました。
 ところがある日、元教師のお父さんがタリバンの下っ端に捕まって刑務所に送られ(悪いことはしていないのに、弱い者いじめの標的にされたのです。この下っ端の青年も、戦争の恐怖に怯えてピリピリしていたことが後でわかります)、一家には男手がなくなってしまいます。

 タリバン支配下の地域では、女性はほとんど外出できません。
 何とか買い物に出かけても、品物を売ってもらえません。
 イスラムの教えは本来、女や子供を守るものであるはずが、それを捻じ曲げて解釈する勢力によって、ますます女性が暮らしにくくなっているのです。
 これはタリバンを責めて済む問題ではなく、アジアやアフリカを自分たちの戦争(もしくは金儲け)に巻き込む欧米の身勝手がまずあり、そこから不幸が広がっていく構造だと思いますが……

 パヴァーナは勇気を振り絞って髪を切り、男装して外で働くようになります。
 一家の大黒柱(ブレッドウィナー)になるわけです。

 驚いたことに、パヴァーナが町で見かけた物売りの少年もまた、男装して働く少女でした。
 彼女たちは友達になり(元は同じ学校に通っていたらしいのですが、学校そのものが、もうなくなっているようです)、助け合ってお金を稼ぎます。いつか「海に行けたらいいね」という夢を共有しながら。
 彼女たちは、古ぼけた写真一枚でしか、海を知らないのです。

 どちらの作品も、共通するのは少女の勇気
 そして、彼女たちを助けてくれる、何人もの人たち。

 現実の世界では中村哲医師が殺され、貧困も難民問題も解決しないままですが、女性の勇気が集まれば、その現実を少しずつ変えていけるのではと思います。

 男性の勇気がしばしば蛮勇や暴力につながるのに比べ、非力な女性は共感を武器にして、互いに手をつなぎます

 私も非力ながら、自分の思うこと、考えることを発信していこうと思います。

 #MeToo運動や#KuToo運動も広がっていますね。
 フラワーデモへの参加者も全国に現れています。
 少子化が進行しているのも、経済的要因の他、社会が女性に過重な負担を強いてきたことがあると思います。

 多くの男性が、女性の意見に耳を傾けて下さるように願います。
 これからの世界は、女性の意見を無視しては築けません。

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