小説『モスクワの伯爵』素敵です!!

 あまりにも魅力的な小説だったので、お勧めします。
 エイモア・トールズ著。葉山図書館収蔵。

 1922年、モスクワ。帝政ロシアがソビエト連邦になった時代。
 革命に協力的でなかったという罪で、革命政府に無期限の軟禁刑を宣告された、主人公のロストフ伯爵。

 モスクワきっての高級ホテル「メトロポール」のスイートに住んでいた伯爵は、屋根裏部屋への引っ越しを余儀なくされます。
 「ホテルから一歩でも出たら銃殺刑」の運命。
 そこから、伯爵の長い長い軟禁生活が始まるのですが……

 暗い話と思ったら、大間違い。

 ロストフ伯爵はへこたれない人物で、古き良き時代の教養豊かな紳士。
 ホテルの従業員たちと仲良く過ごし、知り合う人々から好意と尊敬を受け、滞在客の女優との恋愛も楽しみ、ホテル内での仕事も見つけ、充実した日々を過ごします。

 そして、友達から預かった少女をホテル内で育て、やがて成長した彼女を外の世界へと送り出し……

人は自らの境遇の奴隷となってはいけない」という亡き父親の言葉通り、伯爵は軟禁生活を最大限に活かして暮らすのです。
 ダンディな伯爵の貴族的な暮らしが、ユーモアを持って描かれます。
 背景には、ソ連の変化も描かれます。共産主義の実情、第二次大戦、アメリカとの対立、スターリン亡き後の権力闘争……

 途中から、読み進むのが勿体なくなって、ペースを落としながら読んだくらいです。お洒落で楽しくて、ちょっぴり切ない小説をお探しの方に、お勧めします。
 

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